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2007年11月02日

医龍2 第四話

「絶対殺せない患者」

2007年11月1日(木)22:00-22:54

手術のない回。
それでも怒涛の展開に、らしさは忘れず。

北洋病院に美羽がマルファン症候群で入院することになった。
片岡と野口は美羽が議員の娘だと知り、
議員との強いつながりを持つために、明真へ転院させる。
珍しい血液型、バーディバーだと分かり、慌てる鬼頭たち。
そんな折、美羽は野口の汚れた本心を耳にして北洋へ行く。
しかしそこでさらなる病気を併発し…。

大桑マイミちゃんの名をエンドロールで発見。
あれー? どこで出てたっけ?
巻き戻して、ああなるほど。
へえ、ドラマにも出るのね。
笑顔のかわいい、ヘキサゴンで見かける子。

メモ
バーディバー…検索すると、珍しい血液型、
 ─(横棒=バー)、D(ディ)─(バー)らしい。
マルファン症候群
ベンタール手術
敬心病院(けいしん)

セリフ完全

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北洋病院、
患者のいない受付に院長善田はため息をつく。
善田「藤吉先生」
藤吉「あっ、院長」
善田「チーム作りは進んでますか?」
藤吉「ここのメンバーでは、まだ時間が…」
善田「そうですか」

売店、
小高「売り切れ?」
店員「ええ」
小高「一個もないの? チョコ」
店員「はい。すいません」
小高「もうー。使えないなー」

朝田「見事だった。
 ガーゼオーマのオペ。
 オレのスピードを一瞬で把握し、処置を変えた」

回想、
小高「ショートアクティングのベータブロッカーでレートを調整して。
 タキってるよりブラディのほうがリペアしやすいから」
麻酔医「は…、はい」

小高「あれ〜? そうだったっけ?」
朝田「並の麻酔医じゃない。なぜ今までオペに入らなかった?」
小高「ねえ? チョコ持ってない? カカオ60パー以上。
 軽い中毒なの、わたし。
 それが治ったら、オペ入るね」

小高「チョコ、チョコ、チョコっと」
野村は潔癖症できれいに手洗い中。
外山はテレビを見て大笑い。
松平は酒を飲みながらPCゲーム。

外山「おい、メガネ。
 朝田の野郎がこの病院でチーム作ろうとしてるっつうのはホントか?」
伊集院「えっ?」
外山「心臓移植の」
伊集院「ええ、まあ」
外山「移植か。面白えなあ」
伊集院「先生は関係ないんじゃないですかね?」
外山「おい、お前!
 バチスタ切ったぐらいで偉そうなこと言ってんじゃねえぞ」
伊集院「どういう意味ですか?」
外山「変性部位を特定した後は誰でも切れるっていう話だよ。
 朝田が本当に欲しいのは、俺なんだよ」

救急車、
隊員「北洋病院ですか? 急患の受け入れをお願いします。
 17歳、女性、急性腹症(ふくしょう)の患者です」
真理絵「北洋はよして! 明真にして! 明真!」
美羽「ちょっと、真理絵」
隊員「(無線)よろしくお願いします」
真理絵「だって北洋、ろくな先生がいないって話じゃん」
隊員「明真は今、無理なんですよ、ねっ」
真理絵「北洋はヤダ!」
隊員「ああっ、落ち着いて。なおさらおなか痛くなるから」


川崎「朝田先生呼んで」
真理絵「痛い。痛い。痛い。痛い。」

伊集院「緊急オペです。第三オペ室」
外山「よしきた!」

伊集院「あっ、ちょうどよかった、緊急オペです。お願いします」
野村「あっ? あっ?」

美羽「急性虫垂炎? 盲腸?」
川崎「ええ」
看護師「川崎さん」
川崎「はい。ちょっとごめんなさい」

美羽「なんだ…」
外山「急性虫垂炎? なんだよ? 早く言えよ!
 なんで俺がそんなもん入んなきゃなんねえんだよ!」
伊集院「そんなこと言っても…」
朝田「だったら入るな!
 なんの疾患だろうが、患者が苦しんでいることに変わりはない」
外山「分かったよ」

手術室、
外山「おい、ME。電メスの設定、80−80」
野村「えっ? 40−40では…?」
外山「とっととやれよ、とろいんだよ、お前は」
野村「だけど…」
外山「ああ? 何?」
朝田「始めるぞ」
(野村は80に合わせる)

廊下、
美羽「あの…。ケータイ、どこだったらかけていいんですか?」
小高「ねえ?」
美羽「えっ?」
小高「持ってない? チョコ系」
美羽「はっ?」

手術室、
朝田「鑷子」
川崎「はい」
朝田「電メス」
川崎「はい」
(朝田が電メスを使って切ろうとすると、
 放電の音)
外山「おい、ME! 何やってんだよ!?
 設定が高すぎるんだよ、40−40っつったろう!」
(にらみ合う野村と外山)
朝田「落ち着いて、設定をやり直せ」
外山「早くしろ!」
(野村は40に合わせる)
朝田「セットできたか?」
野村「はい。
 僕は40−40って…」
外山「てめえ、何言ってんだよ!」
野村「すいません」
おびえる野村。
朝田はそんな野村を見つめる。

明真、野口の部屋、
野口「この調子でいけば、
 心臓移植実施施設の認定もそう遠くないね」
片岡「残念ながら、データをいくら積み重ねても、
 肝心のアピールする相手がいなくては厳しいですね。
 許認可というのはいわゆる‘コネの世界’(ジェスチャ)。
 それがなければ。
 メイシンメディカルシティがあって、
 我々の富裕層専門の施設構想も成立します。
 早く認可されていただかないと」
野口「どうすれば?」
微笑む片岡。

恩田議員が記者たちに囲まれる。
記者「あっ、来た!」
記者たち「恩田議員! お願いします!」
記者「ひと言。ひと言、お願いします」
記者「解散総選挙は近いとお考えですか?」
記者「恩田議員!」
記者「大臣、ひと言、お願いします」
記者「解散総選挙は近いとお考えですか?」

病室、
美羽「具合、どう?」
真理絵「うん。もうすっかり。
 でもさ、評判って分かんないもんだよね。
 切ってくれた先生って、心臓外科のすっごい有名な先生なんだって」
美羽「そうなの?」
真理絵「それがさ、すっごいかっこよくて、
 おまけにすっごい優しいの。
『大丈夫ですか?』とか、『痛みませんか?』とか。
 ああー、もう、たまんない。
 美羽もさ、ときどき胸が痛いとか言ってたじゃん。
 診てもらえば? もしかしたらあの先生に当たるかもよ」

看護師「211のヤマダさん、診てもらえますか?」
朝田「分かった」
美羽は声をかけ損ねた。

料亭、
女将「失礼します」
恩田「よう」
片岡「お久しぶりです」
恩田「ほかならぬ、君の頼みだが選挙が近い。手短に頼むよ」
片岡「はい」

恩田「『心臓移植実施施設』か…」
片岡「元厚生労働大臣の先生のお力添えがあれば話が早い」
恩田「それで?」
片岡「順調に症例数は上がり、国内外から優秀な外科医も集まってます。
 認定施設の基準は…」
恩田「施設の基本的条件、外科医の水準、実施体制。
 それら全てが整ってること」
片岡「よくご存知。さすがです」
恩田「私はね、官僚に質問というものをしたことがない」
片岡「はい」
恩田「で、私のメリットは?」
片岡「明真が成功すれば、
 厚労省の進める先進医療病院のモデルケースとなります。
 厚労省に対する先生の影響力は絶大なものになる」
恩田「それだけかね?」
片岡「代表の野口は、医師会に隠然たる力を持っています。
 ここで恩を売っておけば、
 次期選挙で医師会は先生につきます」
恩田「分かった」
片岡「明真は国内最高峰の医療施設になりました。
 先生もご自身で確かめてみられては?」

明真、
鬼頭が大勢をつれて歩く。
荒瀬の寝るソファを蹴り、
鬼頭「カンファレンスよ、来なさい」
荒瀬「ねえ、何、これ?」
鬼頭「私がスカウトしてきた、世界のトップ・サージェント。
 チーム鬼頭のメンバーよ」
荒瀬「ふーん」
鬼頭「今後一緒にオペをやってもらうから」
荒瀬「俺についてこれんの?」
鬼頭「あなたも、せいぜい置いていかれないようにね」

北洋、
藤吉「明真でチーム鬼頭が立ち上がったそうだ。
 よりすぐりのメンバーを集めてきたらしい。
 野口はこれからバンバン宣伝していくだろうな」

オープニング

CM

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

医局、
野村がボールペンを色別にきれいに並べている。
外山がそれを崩す!
「昨日のは何だよあれ? 何俺のせいにしてんだよ?
 だいたいME風情が医者に意見してんじゃねえよ!」
松平「お前こそ人のせいにしてんじゃねえよ。
 MEのミスだろうが何だろうが、それフォローできて初めて
 外科医って言えるんじゃねえの?」 
外山「フォローできねえようなミスしたんだよ!
 このバカが!
 (ボールペンを折る音に野村が反応する)
 お前こそオペ室に入れよ。勝負しろよ、そこで!」
伊集院「ちょっと、何やってるんです!?
 ここは医局ですよ。いいかげんにしてください。
 (野村の叫び声、パニックになってる)
 どうしたんです!?」

屋上、
伊集院「大丈夫ですか?」
野村「す…、すいません。さっきは」
伊集院「いえ、そんな…。
 だって、外山先生の言ってることがおかしいですよ。
 それにあのアル中…、あ…、じゃなくて、
 松平先生が正しいです。
 あんなヤツの言うこと、気にすることないですよ。
 僕らは、同じチームじゃないですか」
 (すすり泣く野村に)
 ちょ…ちょっと」

その後、
野村「すいません。チームの一人だなんて言われたことなかったから」
伊集院「いえ」
野村「怖いんです」
伊集院「えっ?」
野村「僕、医者が怖いんです」
伊集院「怖い?」
野村「外科医の先生って、
 自分がこの世で一番みたいに思ってる人が多くて…。
 僕らのようなコ・メディカルをバカにする人がいるんですよね」
伊集院「確かにそうかも…」
野村「前の病院でもさんざん教授に怒鳴られて、蹴られて。
 その先生は医局のエースといわれている外科医でした。
 オペで術後、腎不全になった患者さんの人工透析を
 僕が管理していたんです」

回想、
野村「304号の溝口さんなんですが、血圧が低くなってるんです。
 透析の除水量を少なめにしたほうがいいんじゃないでしょうか?」
藤原「ああ、いいよ、いつもどおり2キロで」
野村「ここ、見てください。心臓への負担が…」
藤原「お前、医者か? 何、俺に意見してんだよ?」

野村「心機能の低下した患者さんは、除水を慎重にしなければならない。
 除水しすぎると危険な場合があるんです。
 でも指示するのは主治医の権限。
 しょうがなく主治医の指示通り、いつもどおりの除水をしました。
 ところが…」

回想、
(患者のうめき声)
野村「あっ!?」
藤原「おい!? 何やってんだ!?」

野村「除水量が多すぎて血圧が下がり、心室細動を起こしたんです。
 幸い、一命は取り留めました。だけど…。
 教授にミスをとがめられることを恐れた
 その執刀医は、僕のせいにしたんです。
 将来が嘱望された外科医のエースと、
 コミュニケーションをうまく取れないME、
 教授がどっちを信用するかは明らかでした」

回想、
野村「どど…、どういうことですか!?」
藤原「ああ?」
野村「溝口さんは、僕の管理ミスじゃありません!
 ここ、ほら! 先生が除水量はそのままでいいっておっしゃるから…」
藤原「おいおいおい、そういうこと言ったらいけないだろう。
 なんとか俺が助けたからいいものを。
(ボールペンを折る音)
 ハッハッハ。失敗は誰にでもある。
 大切なのはそれを認める素直な心だよ」
野村「ぼ…、僕はミスなんか」
藤原「大声出すな!
 医者の指示にはきちんと従えってあれほど何度も言っただろう!
 ったく、頭だけかと思ったら耳まで悪いんだよ」
医師「しょうがないやつですね。ハッハッハ」

野村「それ以来僕は、
 なんていうか外科医を前にすると萎縮しちゃって…。
 あっ、すいません、こんな話」
伊集院「いえ」
野村「だから、チームの一員って言ってくれたのはうれしいけど、
 僕には無理です。
 無理なんです。
 でも…、ありがとうございました」
伊集院「あの…、よく分からないけど、これだけは言えます。
 少なくとも朝田先生は、絶対にそんなことしない。
 ともに戦うチームの仲間を裏切るようなまねは絶対にしない。
 そういう人です」

中庭、
小高「今日はお見舞い?
 こないだありがとうね、チョコ。
 あっ、そうだ。お返し。あれ?
 ああー、そうだ、食べちゃったんだ。ごめん」
美羽「先生」
小高「うん?」
美羽「朝田先生と友達?」
小高「朝田先生?
 うーん、微妙かな?
 なんで? もしかしてさ、気に入った?」
美羽「ううん。違う」
小高「格好いいもんね、確かに」
美羽「そんなんじゃなくて…。胸がちょっと痛くて…」
小高「胸が痛い? 何よそれ?
 ちょっとどれどれ、診せてごらん。
 (彼女の胸元に手を当て、険しい表情。しかしこの場は茶化す)
 来てる来てる。恋の病だ。間違いないわよ」
「そうなんですか?」
「うん。
 あーっ。ほら、噂をすれば。
 あとは若い人同士でね。
 (朝田に近寄り)
 ねえ? あの子、朝田先生が気に入ったんだって。
 (小声で)
 診てあげて。マルファン症候群でARが出てる。
 (彼女に)
 話、つけといたからね」

CM

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

豪華な病室、
野口「素晴らしい健康体ですね。精密検査の結果、
 血圧、脳、心臓、肝臓、その他、なんの問題もありません」
恩田「高度医療機器のMDCTも3機あるし、
 心臓イメージング検査も数分あれば済む。まあ及第だね」
野口「さすがよくご存知で」
恩田「あとは施設長の資質だね」
 (ノック)
権藤「恩田先生」
恩田「うん?
 (耳打ちを受け)
 なんだと!?」

北洋、
美羽に説明、
藤吉「マルファン症候群というのは、結合組織に影響を及ぼす疾患で、
 50パーセントが親から子への遺伝です。
 手足やその指が長いなどの身体的特徴があります。
 マルファン症候群の症状は人さまざまで、
 重い人もいれば、軽い人もいます。
 主症状として、心臓の弁膜症や大動脈の疾患などが挙げられます。
 緒方さんの場合、
 お母さんが心疾患で亡くなられてるということ、
 胸に痛みがあるということで心エコー、CTで調べたところ、
 大動脈基部(きぶ)の拡大と、
 大動脈弁の逆流が発見されました。
 心臓から体に血液を送り出すところにある弁が大動脈弁で、
 それにつながる太い血管が大動脈です。
 緒方さんの場合、大動脈弁と大動脈が拡大し、
 血液の逆流が生じている状態です。
 大動脈弁輪拡張症(べんりん)AAEと、
 それに伴う大動脈弁閉鎖不全症ARです。
 心エコーにより、
 大動脈基部の拡大が55ミリを超えていることと、
 高度の大動脈弁の逆流が確認されました。
 よって手術が必要と判断しました」
美羽「あの…」
藤吉「はい」
美羽「わたし、死んじゃうの?
 お母さんもおんなじ病気だったし…」
朝田「大丈夫です。
 我々が必ず助けます」
藤吉「彼の腕を信用して我々に任せてください。全力を尽くします。
 安心して。
 とりあえず、入院の手続きを進めましょう。
 えー、ご家族は?」
美羽「叔母と二人暮しです」
藤吉「お父さんは?」

野口の部屋、
野口「恩田先生の娘?」
片岡「はい。正確には、愛人に産ませた娘です。
 その愛人も四年前に亡くなり、今は先生の妹と暮らしてるようです」
野口「その子がマルファン症候群」
片岡「検査の結果、AAE ARで北洋に入院したと、その妹から連絡が。
 これからもう一度術前検査で詳しく調べるでしょう。
 チャンスですよ、これは」
野口「チャンス?」
片岡「我々の情報では、先生は正妻に子供がいないこともあって、
 公にはできないものの、その子をでき愛していると。
 ここでその子を救って、恩を売っておく」
野口「なるほど」

明真、
ミキ「聞いた? チーム鬼頭の話」
荒瀬「ああ」
ミキ「私も一応入れられることになった。
 (ため息)しょうがないよね、やるしか」
荒瀬「それより、こないだ北洋で、ガーゼオーマのオペ見たんだろ?」
ミキ「うん。それが?」
荒瀬「女の麻酔医、見なかったか?」
ミキ「女? ああ、途中から入ってきた…。
 ああ、でも私、藤吉先生と話しててあんまり見てない」
荒瀬「そうか」
ミキ「それが? 誰? 知り合い?」
荒瀬「ああ」
ミキ「優秀なの?」
荒瀬「やっかいなヤツだ。俺以上にな」

北洋、
藤吉「小高のヤツ、
 一瞬にして心雑音(しんざつおん)からARを見抜いたのか」
朝田「ああ」
藤吉「この難しいオペ、術中管理にあいつの腕が必要だ。
 オペに入れられないのか?」
小高「無理だ」

バー、
小高が一人で飲みながらチョコを食べる。

北洋、医局、
朝田「野村。
 近くAAE、AAR基部置換のオペ、ベンタール手術をやる。入ってくれ」
外山「おいおいおい、何言ってんだよ?
 こいつはまともに人と会話もできないんだぜ。
 こんなヤツ、オペに入れてどうすんだよ?」
朝田「俺たちはプロだ。プロに余計な言葉はいらない」
外山「でも、こないだだって俺の足、引っ張ったし…」
朝田「オペはチームだ。それが分からないなら、オペに入るな」
外山「なんだぁ!?」
松平「やめとけ。
 (起き上がって)ああーっ。
 お前に勝ち目はねえよ」
外山「なにを!?」
松平「それに、このベンタール手術もな。
 うまくいくわけねえよ、こんなオペ」

病室、
川崎「これから術前検査といって、手術の前にいろいろ検査をします。
 まもなく、主治医の朝田先生から説明がありますので」
美羽「はい」

謎のスーツの男たちが北洋に到着。

病室、
(ノック)
美羽「朝田先生(期待でニコリ)」
権藤「お迎えに上がりました」
藤原「主治医の、明真大学病院の藤原です」
(野村MEの回想に出た藤原外科医だ)

善田「そ…、そんなバカな!?」
片岡「恩田先生、たってのご要望です」
善田「し…、しかし、もう入院しているんですよ!」
片岡「より優れた医療機関でのオペを希望されているんです」
言葉を返せない善田。

CM

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

北洋病院前、
藤吉「どういうことですか!?」
片岡「転院させることになったの。明真の特別室に」
伊集院「どうしてです!?」
片岡「それに値する患者だから。
 元厚生労働大臣、恩田哲三(おんだ・てつぞう)の娘なの、あの子」
伊集院「でも名前が…」
片岡「愛人の子だから。奥さんは別にいる」
藤吉「誰の娘でも関係ない。うちの患者だ」
片岡「明真にはえりすぐりの医者たちと、
 何より、日本最高の施設がある。
 よりよい医療を受けるのは、患者の当然の権利でしょ?
 あなたたち、それに対抗できるの?」
(朝田でさえ言葉を返せない)
藤吉「今度はうちから患者を奪い取るってわけか」

美羽「ねえ、わたしやっぱりこの病院がいい」
権藤「お父様の意向です」
美羽「『お父さん』なの? あの人…」
藤原「じゃあ、行きましょうか。
 あれ? ああ、ちょっと。
 野村じゃないか?」
片岡「彼は敬心病院(けいしん)からチーム鬼頭に呼ばれたドクターの一人よ」
藤原「なんだ、お前? ああ、そうか。
 お前が飛ばされた病院って北洋だったっけ? 元気か?
 まだMEやってるのか? そうか、よかったな。拾ってもらって。
 今度は除水量、間違えるなよ。ハハハ」
伊集院「ちょっと! そんな言い方…」
藤原「よかったですね、
 こんなMEがいる病院でオペしたら、命を落とすとこでしたよ」

去っていく車から、
美羽は小高を見つけて視線を送る。
小高も心配そうに見つめて…、チョコを食べる。やっぱりチョコか。

野村は恐怖と怒りから手を震わせ、それを見つめる朝田。

医局、
外山「患者、明真行っちゃったんだって?
 そりゃ、そうだよな。誰もこんな病院でオペ受けたかねえよな」
伊集院「無視しましょう」
野村「伊集院先生」
伊集院「はい」
野村「さっきは、怒ってくれて、ありがとうございました(ペコリ)」
言葉少なにデスクにつく二人。

明真、美羽の特別病室、
野口「この鬼頭先生が全面的に治療にあたってくれます。
 世界有数の外科医ですから、どうか安心してください」
美羽「親が議員だと、すぐこんな部屋用意してくれるんだ。
 受付で待ってるおばあさん、入院は一ヶ月先だって言われてたよ」
野口「まあまあ。うちに来られて、お父さまもお喜びですよ」
美羽「そのわりには顔出さないね。なんで? 愛人の子だから?
 おおっぴらになったら困るの?」
野口「ハハ…。それだけ元気なら大丈夫でしょう」
鬼頭「午後から術前検査を始めます。
 その検査結果を見て、今後の治療方法を決めますから」

野口の部屋、
野口「(電話)ええ、それはもうお嬢様には
 うちが特別待遇で万全の医療体制でお迎えしております。
 どうぞご安心ください。ええ。ではごめんください。
 (ハミング)
 (ノック)
 はい」
鬼頭が深刻な顔で入ってきて、野口はことの重さに気づく。

明真、医師会議、
鬼頭「特別室の緒方美羽さん。マルファン症候群で、AAE AR、
 ベンタール手術、適合患者で、検査の結果、
 この患者、不規則抗体、陽性だった」
医師「不規則抗体!?」
鬼頭「しかも極めて特殊な、抗体、RH17」
医師「RH17!?ということは…」
鬼頭「そう、バーディバーだった」
(ざわめき)
藤原「バーディバーを持つ人は、日本で数人しかいません」
鬼頭「そのとおり。
 つまりこの患者、この患者、輸血ができない」
医師「輸血できない…」
医師「無輸血でベンタール手術を!?」

野口の部屋、
野口「バーディバーだ?
 ただでさえ難しい手術なのに、冗談じゃないよ」
藤原「自己血(じこけつ)でいきます。
 事前に自分の血を抜いて保存しておいて、
 オペの際は、それを輸血として使うしかありません」
鬼頭「一週間に400ミリリットル採血して、
 計1200ミリリットルたまるまでオペはしません。
 つまり、早くてもオペは三週間後」
野口「その前に緊急オペになったらどうするの?」
藤原「全国の輸血センターに連絡して、何とか血液を確保する方向で」
野口「とにかく金に糸目はつけない。なんとしても死なせるな」
藤原「はい」

特別病室、
藤原「では」

廊下、
美羽がぶらつくと、声が聞こえてきた…、
野口「それで、輸血センターで血液は確保できたの?」
藤原「それが…、
 全国の輸血センターには問い合わせているんですが…」
野口「ああ…。困ったね。ベンタール手術なんだよ」
木原「ですが、自己血さえ確保できれば」
野口「オペ中に大量出血も充分ありえるよ。
 血が足りなくなったらどうすんの? 死んじゃうよ。
 まったくもう…。チャンスだと思ったら
 とんでもないババを引いちゃったよ。
 恩田の娘じゃなきゃとっくに追い出してるよ」
美羽はとんでもないことを聞いてしまった。

特別室、
美羽「(付き添いの議員秘書に)もう帰っていいよ。
 監視しなくても、どこにも行かないから」
(ノック)
ミキ「緒方さん、採血しますね」
美羽「はい」
ミキ「(本が目に入り)バーディバーでも大丈夫よ。
 自己血さえたまれば、心配いらないから」
4526056227
トコトンやさしい血液の本

美羽「わたしの不規則抗体って、
 バーディバーで輸血したからなったんですよね。
 わたし、うんと小さい時、
 旅先で崖から落ちて大ケガしたことがあるんです。
 すごい山奥で。
 母がわたしを担いで、必死になって病院を探してくれた。
 そのときの輸血かな」
ミキ「とにかく、今は自分の血をいっぱいためることが大事だから。

美羽の回想、
野口<とんでもないババを引いちゃったよ。
 恩田の娘じゃなきゃとっくに追い出してるよ>
<血が足りなくなったらどうすんの? 死んじゃうよ。>
朝田<なんの疾患だろうが、患者が苦しんでいることに変わりはない>
<我々が、必ず助けます>

北洋病院前、
伊集院「はい、これ。ASOに関するデータです」
木原「すっかり俺も野口先生の連絡係みたいになっちゃったな」
伊集院「チーム鬼頭には入れなかったんですか?」
木原「お前、ズキッと来ること、言うねえ。
 入れなかったんじゃないの、入らなかったの!」
伊集院「ふーん」
木原「そんなことよりさ、小高先生って、彼氏いんのかな?」
伊集院「さあ…」
木原「あんな子が元明真にいたなんて、俺知らなかったな。
 盲点だったな、灯台もと暗しだな。
 どんな男がタイプなんだろ?
 もしかして、俺みたいなロン毛のきれいなおにいさん。
 きれいなおにいさんは好きですか?」
伊集院「緒方さん!?」
木原「緒方じゃねえ、小高。小高の話してんの、俺は!
 ちょっと、ちょ…。えっ!?」

明真にいるはずの緒方がやって来た。
伊集院「どうしたの!?」
美羽「ああ…。結構遠いのね、明真から。
 歩いてきたから、ちょっと疲れちゃった(息切れ)」
伊集院「歩いて!?」
美羽「やっぱりこっちの病院のほうがいいなぁなんて…。
 朝田…、先生は?(息切れ)」
伊集院「AAE ARがある状態で急な運動は…」
美羽「うっ…」倒れた!
伊集院「緒方さん!? 緒方さん? 緒方さん!」

美羽はストレッチャーで運び込まれる。
伊集院「突然の胸背部痛(きょうはいぶつう)と血圧低下。
 間違いなく急性大動脈解離(かいり)です!」
木原「この子…」
伊集院「えっ?」
木原「バーディバーなんだ」

医局、
藤吉「バーディバー!?」
外山「へえ、ってことは輸血できねえじゃん」
伊集院「明真の術前検査で発覚したそうです。
 自己血貯血もまだ全然できてないって」
藤吉「なのに解離を併発したのか!?」
外山「どうします? 朝田大先生?」
藤吉「お前は黙ってろ!」

明真、
野口「(電話:うん、分かった。)
 間違いないようですね。解離を併発したようだ」
鬼頭「まだ自己血が足りない。
 オペできないわ。
 とにかく、輸血センターに連絡を入れましょう。
 少しでもバーディバーの血液があるかも」
(電話しようとするところを、野口が切ってしまう)
野口「いいじゃないですか、もう。
 輸血センターにバーディバーの血液があったとしても、
 間に合うかどうか分からない。
 それに、ベンタール手術自体、極めて難しい。
 患者は自分の意思で明真を抜け出し、北洋に行った。
 あとは北洋の問題です。
 北洋が何とかしてくれるでしょう」
鬼頭「何とかならなかったら?」
野口「それはあっちの問題だ。明真になすすべはなかった。
 ババは北洋が引いてくれたんです」

車の恩田に連絡が入る。
恩田「何だと!?」

北洋、
藤吉「無輸血でオペなんて到底できないぞ!
 どうする!? 朝田」
静かに考える朝田。

鬼頭は静かに受話器を置く。

どうする!? 朝田!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

キャスト
朝田龍太郎(坂口憲二)天才外科医
片岡一美 (内田有紀)投資会社役員で、北洋病院オーナー
伊集院登 (小池徹平)外科医
小高七海 (大塚寧々)麻酔医、北洋へ
荒瀬門次 (阿部サダヲ)天才麻酔医
里原ミキ (水川あさみ)天才器械出し
木原毅彦 (池田鉄洋)医師
松平幸太朗(佐藤二朗)消化器外科医、北洋へ
善田秀樹 (志賀廣太郎)北洋病院院長
外山誠二 (高橋一生)血管外科、北洋へ
野村博人 (中村靖日)臨床工学技師、北洋へ
──────────
(浜近高徳)救急隊員
(中沢純子)看護師、川崎あずさ、役名川崎の字幕が入るようになった
(土屋史子)看護師
──────────
(竜雷太)恩田哲三議員
──────────
(黒川智花)緒方美羽、重い病気、議員の愛人の子
(小野了)恩田の秘書、権藤
(柳田衣里佳)矢沢真理絵、美羽の友人、盲腸で運び込まれる
(浅里昌吾)
(よしのよしこ)売店のおばちゃん
──────────
(大鶴義丹)エリート医師、藤原
 医龍2 番組宣伝|大鶴義丹 不思議の毎日
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(内倉憲二)
(羽根田陽一)メガネの記者
(大桑マイミ)看護師
 http://www.maimiokuwa.com/diary/2007/10/index.php
(二宮聡)
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藤吉圭介 (佐々木蔵之介)
鬼頭笙子 (夏木マリ)
野口賢雄 (岸部一徳)

脚本 林宏司
演出 葉山浩樹

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どらま・のーと弐 | 医龍 Team Medical Dragon2 KARTE:04

B000VZK7YI
「医龍2 Team Medical Dragon」オリジナルサウンドトラック




posted by エデン at 07:13 . | Comment(0) | TrackBack(0) | 医龍2
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