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2007年10月26日

医龍2 第三話

「その手術は失敗する」

2007年10月25日(木)22:00-22:54

とても楽しんでいる。満点だね。
細かいセリフは後日追記するとして、感想、ツッコミとキャストだけを先に。

片岡が呼んだ、野口の新病院の賛同者は鬼頭だった。
鬼頭は医療改革を目指し、未来の多くの患者を救うことを考え、
目の前の患者を救おうとする朝田龍太郎と対立することに。

そして鬼頭は朝田に、
自分の技術を高めることしか考えなかったから天才であって今は違う、
と意味深な発言。
このことと朝田の時間がない、とがつながるのかなと楽しみ。

西沢老人の手術、ガーゼオーマ(ガーゼの取り忘れ)の除去。
かつて野口が担当した手術ミスで、事を把握していた野口は
書類書き換えでもみ消そうとしていた。

チームドラゴンではないチームで困難な手術だったが、無事に成功。
朝田や藤吉たちは野口の件を知り、医療裁判へ動き、
患者西沢も片岡の買収を蹴って朝田たちに同意する。

外科医外山誠二(高橋一生)は性格に難があるが実力者。

麻酔医小高七海(大塚寧々)はやる気がないが実力者。

彼女のことは荒瀬が一目を置くほどの存在。
マイナスかけるマイナスは大きなプラスだと言う。
これはかつて、
性格に難があった朝田と、金でしか動かなかった荒瀬自身が
意気投合して素晴らしいチームになったことにつながる。

細かいツッコミ。
野口が書き換えた資料、それが二種類あるのは一体なぜ?
20071025_iryu.jpg

8年前の資料 その1 (序盤ミキが持ってきて藤吉に見せる)
 術者:山本邦弘 助手:福島光男、高原俊樹、大矢根圭介、渡辺良太
 麻酔医:岡島浩二、来島至、鶴田二郎
 看護師:横田瑞江、桐生良子、宮本裕香、前橋良子、白田有希

8年前の資料 その2 (中盤藤吉が朝田に見せる)
 執刀者:山本邦弘 助手:福島光男、高原俊樹、大矢根圭介、渡辺良太
 麻酔医:倉本浩二、来島至、鶴田二郎
 看護師:岩倉瑞江、桐生良子、宮本裕香、前橋良子、白田有希


以下、セリフ完全

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救急車で運ばれる西沢老人、
隊員「明真大学ですか? 急患の受け入れをお願いします。
 男性、70代、ショック状態、バイタルは…。えっ、無理?
 分かりました」
隊員「無理ですよ。今の明真はリスクを抱えるわけがない。
 こんなお年寄り…」
「じゃあ北洋か」
「はい」

北洋病院医局、
テレビを見て笑っている外山。
(余談:そのテレビはREGZAだね。ちなみに野口の部屋にも)
伊集院「(野村に)あの…、これ、どうぞ(カップコーヒー)。
 (PCゲームに夢中な野村がビクッと驚くのが面白い)
 MEの方ですよね?
 あっ、伊集院といいます。よろしくお願いします。
 (野村は無視してゲームに夢中)
 あの、これ…」
野村「いや、僕、カフェインは取らない…」
伊集院「はい?」
野村「僕、カフェインは取らないタイプなんで」
伊集院「せっかく買ってきたのに…」
次は外山に。
伊集院「あの、よかったらどうぞ」
外山「はっ?」
伊集院「コーヒーです。よかったらどうぞ」
外山「俺、エスプレッソしか飲まねえから」
伊集院「なんだよ、あれ。何様なんだよ」
次は小高に、と思ったら、
ウィンクされ…、
伊集院「えっ? なんで?」
野村「不倫」
伊集院「えっ? なんか言いました?」
野村「不倫の女王」
伊集院「えっ? 彼女が?」
野村がキーボードを叩き…、
『小高七海。
 麻酔医。
 年齢不詳。
 教授との不倫がバレて医局を
 干されたという噂…。』
伊集院「そ…、そうなんですか?
 ホントにここでチームが出来るのかなぁ」
寝ていた松平が起き上がる。
松平「『チーム』?」
伊集院「あっ! いたんですか!?
 酒臭っ。
 (松平に勝手にコーヒーを取られ…)
 あっ」
松平「(ゴクリと飲み)ああ…。お前あのバチスタチームの若造かよ?」
伊集院「ええ、まあ」
松平「エリートがこんな病院に左遷されたわけか?」
伊集院「左遷って…。まあそうだけど」
松平「チーム、チーム、チーム、チーム…(笑)
 つくれるもんなら、つくってみろ」再び寝る。
伊集院「(野村に)医局で酒飲んでますよ、いいんですか?」
野村がキーボードを叩き…、
『松平幸太朗。
 消化器外科医。
 33歳。
 アル中。
 もう何年もメス握らず…。』
伊集院「大丈夫かな、ホントにこの人たち」
電話が鳴り…、
伊集院「はい」
看護師「急患の搬送です」

北洋、
隊員「バイタルII-30、血圧70-30、脈拍110、ショック状態です」
伊集院「西沢さん?」
朝田「アフターロード・ミスマッチだ。ダイレーター用意して」
伊集院「あの腫瘍が原因ですか?」
朝田「とにかくICUに運ぶぞ」

明真、野口の部屋、
野口「『朝田が全てを変える』? 『我々が泣きを見る』か。
 それはどうかな?
 (ノック)
 来たよ。メイシンの新しい救世主が」
片岡「どうぞ」

北洋、
翔太「じいちゃん!」
朝田「今は血管拡張薬で落ち着いているが、次、発作が起きたら…」
翔太「先生、助けてください。お願いします!」
朝田「術前の評価は全て済んでいる。
 今から緊急オペを行なう」

野口の部屋、
野口「新生メイシンの病院長、鬼頭笙子先生だ」

医局、
小高「ええっ? 緊急オペ? 聞いてないなぁ」
伊集院「聞いてないじゃなくて手伝って欲しいんです! MEの方も!」
松平「緊急オペ?」
外山「なになに? オペ? 俺に切らせてくれんの?」
伊集院「いや…、とにかく手伝ってください。急患です!」
外山「オッケー。行こうぜ、エブリバディー!」

野口の部屋、
野口「鬼頭先生はね、メイシンメディカルシティの構想に
 いたく共感してくださってね。
 そのドクター人生の全てをかけて、
 メディカルシティの実現に尽力してくださるそうだ」
鬼頭「あなた、北洋病院の医院長?」
善田「ええ」
鬼頭「朝田先生が北洋で新しいチームを作ろうとしてるっていうのは
 ホント?」
善田に着信「失礼」

手術室、
伊集院「朝田先生」
朝田「他の連中は?」
伊集院「それが…」

小高、野村、松平が手術に参加せず。 医局、
小高「牡羊座、牡羊座…。今月の運勢は?
 『周りを気にせず自分を信じて』か。
 ふーん、恋愛は? 『よい出会い』」

手術室、
朝田「しょうがない。このメンバーで行く」
外山「切らせろよ、俺に。
 あんたの噂は聞いてるが、テクニックじゃ負けねえよ、俺」
朝田「分かった。前立ちに回れ」
外山「前立ち? 第一助手かよ」

北洋、
ミキ「あっ、藤吉先生!
 ようやく見つけました、手術記録のコピー」

野口の部屋、
善田「(ケータイ:分かった。すぐ戻る。)
 西沢さんがうちに運ばれました」
野口「誰?」
善田「あなた方がクレーマーとして処理しようとした西沢さんです。
 心臓に異常があったんです」部屋を出ていく。
野口「…だって」
片岡「あとは任せてください」

オープニング

CM


朝田「麻酔医、挿管まだ終わってないのか」
麻酔医「あっ、はい、今」
外山「遅ぇよ! イライラさせんな!」
伊集院<麻酔の導入に90分。荒瀬先生なら30分なのに>
チームは待ちきれず…、
朝田「これより、収縮性心膜炎の剥皮術(はくひじゅつ)を行なう」
朝田「メス」
看護師「はい」
外山「鑷子、ガーゼ」
看護師「はい」
↑鑷子(ピンセットの大きいもの)を渡して、持たれた鑷子に
ガーゼをつかませる、なるほど。執刀医に手間をかけさせない看護師。

朝田「胸骨の下を剥離する。
 鑷子、ハーモニック」
看護師「はい」
外山「二爪鉤(にそうこう)」
看護師「はい」

外山「ほぉ…、そこそこ速えな」
朝田「こっち側も剥離しろ」
外山「へいへい。鑷子」
看護師「はい」
外山「ハーモニック」
看護師「はい」
外山「よく見て勉強しな。僕ちゃん(伊集院)」

北洋、見学室、手術記録を見て…、
藤吉「そういうわけか…」
ミキ「だから野口先生はあそこまで反対した」
藤吉「危険だぞ、朝田」
と心配そうに手術を見守る。

手術室、
朝田「胸骨の剥離、終了」
外山「PAが高いぞ(79-20)」
朝田「麻酔医、下げられるか?」
慌てる麻酔医、
外山「おい、麻酔医!」
麻酔医「あっ、いや…」
外山「ダメだこりゃ。先進もうぜ」
朝田「心膜の癒着を剥離する。鑷子」
看護師「はい」
朝田「ハーモニック」
看護師「はい」
外山「鑷子、ツッペル」
看護師「はい」
朝田「伊集院、あの女の麻酔医は医局か?」
伊集院「はい」
朝田「呼んで来い」
伊集院「えっ、今からですか?」
朝田「この麻酔医一人じゃもたない」
伊集院「わ…、分かりました」
外山「癒着剥離は俺らで充分」
伊集院が外山に冷たい視線を送り医局へ向かう。

医局、
モニターを見て野村がキーボードを叩く、
『「収縮性心膜炎」
 オペ難航!』

手術室、
朝田が何かを見つけ目を細める。
外山「ん? なんだ、これ?」
看護師「これは…」
外山「腫瘍か? それにしても…、でかい」
看護師「こんなの、見たこともありません」
朝田「これが拡張障害を引き起こす原因だ」
外山「なんだ、これ…」
朝田「ガーゼだ」
外山「はっ?」

医局、
松平「ガーゼ?」
野村「ガーゼ」
キーボードを叩き、
『「ガーゼオーマ」』

手術室、
外山「ガーゼオーマ」
看護師「ガーゼが癒着して腫瘍のようになるっていう…」
外山「ガーゼなんて、なんでそんなもんが?」
看護師「まさか、前の手術の時の置き忘れ?」
朝田「そのとおりだ」
外山「嘘だろう?」

見学室、
藤吉「西沢さんは八年前、
 明真で僧帽弁置換術のオペを受けた。
 恐らくそのとき、執刀医が止血に戸惑い、
 心嚢内にガーゼを残してしまった」
ミキ「それが癒着し、
 腫瘍のようになって心臓を圧迫していた」

善田「信じられない」

外山「八年間もガーゼが放置されてたってことかよ」

ミキ「先生の悪い予想、当たりましたね」
藤吉「ああ。これだけ癒着してると、
 ガーゼオーマを剥離するのは容易じゃないぞ」

看護師「これ以上圧迫すると血圧を維持できません!」
朝田は意を決し、
朝田「これより、ガーゼオーマの剥離摘出術を行なう」
外山「面白くなってきたか?」
朝田「麻酔医、ボリューム入れろ」

野口の部屋、
鬼頭「ガーゼオーマの摘出?」
片岡「ええ。それもかなり難しい。
 うちは医療スタッフが揃ってません。
 朝田先生の腕をもってしても、うまくオペが出来るかどうか」
鬼頭「それがあなたの狙いでしょう?」
片岡「もしよかったら今から北洋にご一緒しません?
 提携病院を見ておくのも今後の参考になるかと思いますので」
野口はすまし顔で飲み物を手にする。

手術室、
朝田「いくぞ」

藤吉「肥厚(ひこう)した心外膜(しんがいまく)に
 ガーゼがびっしりと癒着し、心臓と一体化してる。
 これを少しずつはがしていくんだが、
 はがしすぎても心筋の損傷が起こる。
 この見極めが抜群に難しい」

善田「すごい。寸分たがわぬ層で剥離してる」

外山「ツッペル」
看護師「はい」

病院内、
伊集院「お願いしますよ! 患者さんの命がかかってるんです!」
小高「美容院、予約したんだってぇ」
伊集院「何言ってるんですか? 勤務時間中ですよ!」
小高「だってもう何年も麻酔やってないもん。かけ方忘れちゃったよ」
伊集院「えっ? だって麻酔科でしょう!」
小高「ねえ?」
伊集院「なんですか?」
小高「その真ん中分けってさ、狙い?」
伊集院「狙ってない!」
小高「ちょっと、メガネ取ってみて、ほら」
伊集院「やめてください!」
小高「取ってよ」
伊集院「やめてください!」

ミキ「あれだけの癒着を、心筋を傷つけないで、完璧な層で剥離してる」
藤吉「さすがだ」

朝田「先端取り替えてくれ」
看護師「はい」
↑先端が消耗するとビーブーと音がするようだ。

外山「俺にやらせろ。
 あとは心尖部(しんせんぶ)の剥離をするだけだ。いいだろ?」
朝田「分かった。やってみろ」
立ち位置チェンジ、
外山「ハーモニック。早くしろ!」
看護師「はい」

超短気だが腕前は…、
藤吉「速い」
ミキ「剥離の層も正確」
藤吉「やるな」

外山「ヘヘヘー。
 麻酔医、術中のCOは?」
麻酔医「えっ? えっ、あの…」
外山「まだ測定できてないのか、早くしろよ、バカ!」
麻酔医「CO4.8 CIで3.02です」
外山「よし、大丈夫だな」

西沢のせき、ゴホッ、
体が動き、執刀部分が切れてしまって血しぶき!

朝田「バッキングだ!」

ミキ「麻酔が浅かった」
藤吉「左室心尖部を傷つけたぞ」

外山「麻酔医、何やってんだよ! お前のミスだぞ!」
朝田「術野を俺のほうに向けろ。
 剥離してスーチャーラインの確保だ。ハーモニック」
看護師「はい」
外山「お前のせいで…」
朝田「吸引しろ!」

藤吉「早くリペアしないと間に合わないぞ」
ミキ「龍ちゃん…」

外山「分かったよ!」
朝田「(麻酔医に)ボリューム入れろ。
 (慌てる麻酔医)
 落ち着け。ヘッドダウンにするんだ」
麻酔医「はい」
朝田「外山、視野を出せ。
 ポンプ、スタンバイ」
看護師「はい」

伊集院がやっと小高を連れてきた。
咳き込む患者を見て小高は状況を把握したようだ。

朝田「麻酔深度を深くして、筋弛緩薬を投与しろ」
麻酔医「はい」

小高「バッキングか。ちょっと遅かったね」
伊集院「あんた…」

朝田「伊集院、フェモラールにラインを取れ」
伊集院「はい」

北洋病院前、
片岡「(ケータイ:分かった。今着いたから。あとで。)」
鬼頭「どうしたの?」
片岡「バッキングしたみたいです
 左心室心尖部、損傷。
 このままじゃ恐らくベッドデス、術中死でしょう」
鬼頭「あなた医者?
 あなたの行動を見てると、医者か少なくとも
 それ同様の知識を持ってないと不可能だと思うんだけど?」
片岡「いいえ。経営者です。行きましょう」

CM


手術室、
朝田「伊集院(代わってくれ)」
伊集院「はい」
朝田「損傷箇所のリペアだ。急ぐぞ」
伊集院・看護師「はい」
朝田「(外山に)代われ。
 (外山が退き)
 4−0、サージプロ」
看護師「はい」

藤吉「血圧が40まで低下か」
ミキ「このままリペアできなければ、恐らく出血死」

朝田<守りますよ。ここに来た患者は俺たちが守る>
<患者のために、最強のチームを作ります>

朝田「フリープリジェット」
看護師「はい」

外野の看護師「なんて速さ」

藤吉「いいぞ」

外山は朝田を見て、どうやら彼も朝田龍太郎の実力に驚いている。

小高「ショートアクティングのベータブロッカーでレートを調整して。
 タキってるよりブラディのほうがリペアしやすいから」

麻酔医「は…、はい」
小高が朝田龍太郎の手さばきを見て、やる気を出した。

朝田「メッツェン」
看護「はい」
朝田「損傷個所のリペア終了。
 あとはガーゼオーマの剥離摘出だ」

見入る医局の野村と松平、
見守る院長室の善田。

朝田「ガーゼオーマの摘出完了」
小高「血圧80まで回復」
(↑担当麻酔医では気が回らない、患者の状態確認で、  小高の気配りのよさを表しているようだ)
朝田「よし、あとは止血を確認して閉胸するだけだ」
伊集院・看護師「はい」

ミキ「よかったぁ、持ちこたえた」
見学室に片岡と鬼頭が到着、それぞれ会釈。
藤吉「行くか」
ミキ「はい」去っていく。

手術室、
朝田「オペ、終了」
伊集院「よかった…」
朝田「術後の管理は大丈夫だな?」
麻酔医「え?
 (不安な麻酔医は小高に目をやるが、小高は知らん振り)
 ええ、なんとか」
朝田「頼んだ」
麻酔医「はい」

廊下、
翔太「じいちゃん!」
朝田は優しくうなずき成功を伝える。

手術室、外山が麻酔医を突き飛ばす!
伊集院「何やってるんですか!?」
外山「こいつがきちんと麻酔管理しねえからだよ!」
伊集院「何も殴ること…」
外山「こんなダメチームやってらんねえや」
伊集院「大丈夫ですか?
 (小高に)あなたも何か言ってくださいよ!」
小高「朝田先生ってさ」
伊集院「はっ?」
小高「いい男よねえ」
伊集院「何、言ってんですか。そんなこと言ってる場合ですか!」
小高「焼かない、焼かない」
伊集院「焼いてない!」
(小高は茶化しつつも朝田龍太郎の実力を目にして感嘆している)

屋上、
鬼頭「メイシンシティの構想を蹴って、本当にここでやってくつもり?」
朝田「ああ」
鬼頭「人間には与えられた才能がある。
 確かに、この小さな病院で働く医者も必要でしょう。
 でも、世界のひのき舞台でこそ、才能を発揮しなければならない
 選ばれた人間もいる。あなたや私のようにね。
 与えられた才能を活かさないのはそれだけで罪よ。
 どうして?」
朝田「ここには、俺を必要とする患者がいる。それだけだ」
鬼頭「ハハハ…。
 やっぱり私が思っていた朝田龍太郎は、もう存在しないようね。
 自分の腕を磨くことしか頭にない徹底したエゴイスト。
 だから天才だった。朝田龍太郎は。

 私は野口の構想に賛成よ。今目の前の一人を救うより、
 10年後の一万人を救える医療を目指す。
 そのために、
 私の持てる能力の全てを使って進んでいく。
 あなたは目の前の一人のために、この病院で朽ち果てなさい」

北洋、廊下、
伊集院「まさか」
藤吉「ホントだ。
 鬼頭先生は明真の統括医院長兼
 メイシンメディカルシティ推進実行委員
 という肩書きだそうだ」
伊集院「そのためにアメリカから?」
藤吉「シカゴ大学の客員教授の地位を蹴って明真にやって来たんだ。
 本気だよ」
伊集院「どうしてですか?」
藤吉「鬼頭先生はある意味徹底的なリアリストだ。
 日本発信の世界最先端医療のトップになれるとなれば、
 野口とだって手を組むさ」
伊集院「そんな…」
(朝田が通りかかり)
藤吉「朝田、ちょうどよかった、ちょっと来てくれ。伊集院、お前もだ」

背後の案内看板
 お手洗い
 医療福祉相談室
 健診室 会議室
 オージオ眼底鏡室
 脳波室
 超音波室
 心電図室
 一般検査室

明真、
野口「ガーゼオーマか。それを切り抜けるとは…」
片岡「あとはお任せください」

北洋、
藤吉「八年前の西沢さんの手術記録だ。
 僧帽弁のオペをした山本という若い医師が、どうも気になってな。
 そのオペの直後、突然地方の病院に異動した。
 ホントに唐突にだ」
伊集院「これは?」
藤吉「『執刀者山本邦弘』の部分、よく見るとそれ以外の字と
 大きさ字体が違う」
伊集院「改ざんしたってことですか?手術記録を!」

朝田「ホントは別の誰かが執刀していた」
藤吉「術者を見てみろ。看護師、助手ともに多すぎる。
 僧帽弁の手術に、こんなに人数を引き連れて執刀する医師は一人しかいない」
伊集院「野口先生」
藤吉「そのとおりだ」

明真、
野口「あんなオペ、しなきゃよかった」
回想、そのオペ、
野口「ああ…」
看護師「失礼します(汗拭き)」
野口「邪魔だ。手ぇ出すな。
 ガーゼ早く」
医師「はい」
野口「薬はちゃんと止めたのかね?
 肝機能はどうだったの? まだだよ。
 どっから出てんの?
 吸引して。ガーゼ。
 これでどうだ。
 よし、出血は落ち着いた。
 こんなもんでいいんじゃないか?」

藤吉「恐らくそのあと、
 不調を訴えた西沢さんの申し出でCTなどを撮り、
 ガーゼの置忘れに気づき、誰かが野口に報告した」

回想、
輝代(西沢妻)「あら、野口先生。
 ああ、先生、その節はどうもお世話になりました」
野口「やあ、どうしました?」
輝代「ええ、それがこの人、微熱が続くもんで、
 検査をしてもらったんですけどね、
 どっこも悪くないっておっしゃるんですよ。
 でも本人はしんどそうだし」
野口「どこも悪くない?」
輝代「ええ、全然異常はないって」
野口「それはひどいなぁ」
輝代「先生?」
野口「分かりました。それはね、恐らく風邪ですよ」
輝代「あら、そう?」
野口「私が風邪薬を処方するように特別に言っておきましょう」
輝代「ホントですか? それは助かります。
 いえね、この人ここが悪いって言うんですけどね、
 野口先生にやっていただいた何ですから
 『めったなことあるわけない』って言ってたんですよ」
野口「奥さん、それは違うな」
輝代「へっ?」
野口「私は教授ですから、直接切ったりはしないんですよ。
 切ったのは山本先生です。
 私は心配で立会いましたけどね」

輝代「あら、そうだったの?
 いや、私、てっきり…。あら、嫌だ、勘違い?」
野口「それじゃお大事に」

伊集院「とんでもないですよ! 重大な医療ミス!
 しかも悪質きわまりない隠ぺいだ!」
藤吉「だからこそ西沢さんをクレーマー呼ばわりして
 葬り去ろうとしていた」
伊集院「このことはもちろん…」
藤吉「話すのが義務だろう」
伊集院「そうですよね。
 これ、大スキャンダルですよ! 医療裁判になりますよね?」

CM


西沢の病室、
藤吉「西沢さん、折り入ってお話…」
片岡「あっ、藤吉先生。
 朝田先生も。どうか、されました?」
伊集院「どうかって…」
片岡「ひょっとしてガーゼオーマのお話?
 それでしたら今、西沢さんに野口先生からの伝言をお伝えしたところです。
 今はいないとはいえ、明真の執刀医が犯したミス、
 野口先生もひどく責任を感じておられて、

 治療費の全額負担はもちろん、お見舞金を受け取って欲しいと」
伊集院「待ってください! そもそも執刀したのは…」
藤吉「お金を払えば済む問題ではないでしょう」
片岡「西沢さんも納得していただきましたけど」
藤吉「西沢さん、お望みなら医療裁判という…」
片岡「医療裁判!? そんな大事な…」
藤吉「充分大事でしょう、これは」
片岡「裁判を起こすには大変なお金がかかります」
伊集院「勝てばいいんじゃないですか?」
片岡「残念だけど、そうなると明真は
 日本でもトップクラスの弁護士を立てると思う。
 それに裁判って時間がかかるんです。
 あなたたちはお年を召した西沢さんに
 何十回も裁判所に通わせるおつもりですか?
 (西沢に)
 お見舞金の200万です。どうぞ。
 (西沢は受け取らない)
 西沢さん、今日ここにいらっしゃらない奥様、
 お体を悪くされて、家でも伏せりがちだってお聞きましたよ。
 その奥様のためにも受け取っていただけませんか?
 家で心配されてると思うし、
 今後ご夫婦お二人じゃ、何かと入り用かと思います。
 きっと奥様も喜んでいただけると思いますよ
 (封筒をそっと置いて…)
 (藤吉たちに)
 無駄な努力をするよりも、お互いにとっていい方向、前向きに考える。
 先生たちよりも西沢さんのほうがよっぽど柔軟なようですね」
藤吉「それが野口先生の…、いや、あんたの考えか?」
片岡「ビジネスでは、私はいつもお互いに得する方法、
 ウインウインを目指しております」
藤吉「これはビジネスじゃない」

北洋、中庭でアイスバットを食べる二人、
伊集院「ちくしょう、なんて女だよ、まったく」
木原「顔はかわいいのになぁ」
伊集院「執刀医は野口先生なんですよ!」
木原「しーっ、しーっ、しーっ! 大きな声出すなっちゅうんだよ。
 そりゃ俺もびっくりしたよ。でも証拠がねえだろ?」
伊集院「手術記録のコピーが…」
木原「無理無理無理無理、
 オペ室にいた全員口裏合わせるさ。
 野口先生とあの老人、どっちが怖いっていう話よ。
 しょせん世の中『長い物には巻かれろ』っていう話な、ハハハ」
伊集院「んっ? ところで、なんでここにいるんですか?」
木原「うん、ここはうちの提携先だから、
 今日は論文の発表のためのデータもらいに来たんだよ。
 またちょこちょこ来るからな。ハハハ。
 (アイスを食べ終え…)
 うわぁ、うわぁ! あた…、あたたたた…、当たった」
伊集院「おお」
木原の視線の先に小高がいた。
木原「こっちにも当たりが…。
 あっ、キュン。キュンてきた。めちゃ好きやねん、ああいうタイプ」

北洋、廊下、
翔太「(藤吉に)しょうがないっすよ。
 裁判なんてよく分からないし、
 悔しいけど、確かに金あったら助かるし」

西沢の病室、
朝田「採血の結果も問題ありません。順調です」
西沢「ありがとうございました、先生。
 先生」
朝田「はい」
西沢「さっきのガーゼの話、ホントですか?」
朝田「ええ。
 西沢さんがもし訴えられるなら、
 我々は全面的に協力させてもらいますが」
西沢「(首を振り)裁判なんて、やってる間にぽっくりいってしまいます」
朝田「奥さんは…、大丈夫ですか?
 八年前、奥さんが西沢さんを連れてこられた。
 気にされるんじゃ?」
西沢「妻はもう分かりません。最近は特にね。
 あれほど元気で、前の手術の時も、
 やれ病院へ行けだなんだ、私の世話ばかり。
 人の世話ばかり焼いて、
 自分のことは忘れとったんでしょうなぁ。
 三年ほど前から急に。
 ここんところはずっと家でね。
 家からもう一人では出られんのです。
 ただね、隣の県で女学校時分の同窓会があるんですよ、今でも」
朝田「はい」
西沢「そのときだけは色々思い出すんでしょうなぁ、
 不思議と元気になるんです。
 朝から、いや、出かける前から、口紅つけて、帽子かぶってね。
 あいつにとっては、年に一度の外出でね。
 それに連れて行くのが、私の役目です。
 一緒じゃないと行かんのですよ、私と」
朝田「そうですか」
西沢「だからね。だから…、治したかった。
 私が倒れるわけにはいかんのですよ。いかんのです」

明真、野口の部屋、
野口「そう。西沢さん、‘無事’退院したわけだ(ジェスチャ)」
片岡「今日の午後」
野口「(拍手)さすがだね、片岡ちゃん」
片岡「人は、お金の前では驚くほど単純ですから」
野口「人は理念では動かない。ヤツらも少しは分かっただろう」

北洋病院前、
藤吉「お気をつけて」
善田「お体、大切にね」
西沢「この病院で診てもらって、ホントによかった。
 いやぁ、八年前、私に検査を勧めた妻も、
 きっとそう思ってると思います。
 ホントにありがとうございました」
翔太「行こう」

北洋、廊下、
片岡「これからミーティングいいですか?」
善田「ええ」
藤吉「あっ…と、
 西沢さんから伝言です。
 (封筒を差し出し)
 『こんなもの受け取れない』って。
 あと『あなたにご心配していただかなくても、妻は元気です』ってさ」

西沢夫婦、街を歩く。
妻の手には手紙、
『平成十九年度
 清和女学院「清慎会」
 同窓会のご案内
  西沢輝代様』

西沢「(長い階段を)上がろうか。
 なあに、もう大丈夫。心臓はもう治った。
 (妻を支えながらゆっくり足を進めて)
 1、2、3、4と」
翔太が後ろで安心して微笑む。

明真、鬼頭が寝ている荒瀬に気づき起こす。
鬼頭「そういうわけでまたよろしく」
荒瀬「ついに野口に寝返った」
鬼頭「とにかく今後、私の指示に従ってもらう。
 それと、朝田たちとの接点は完全になくなったものと思いなさい」
荒瀬「オペは見に行く。うちの提携病院だ」
鬼頭「なんの足しにもならないわ。
 バッキングするような麻酔医しかいないのよ。
 そのあと出てきた女の麻酔医は多少マシだったけど」
荒瀬「女?」
鬼頭「手術のチームは掛け算。ゼロが一人いれば全てゼロになる。
 朝田一人が100点でも、
 あのチームじゃ、どうしようもないわ」
荒瀬「ハハハハ…! ハハハハ…! ハハハハ…!
 ゼロどころかマイナスだぜ。ハハハハ…!」
鬼頭「分かったでしょう。
 これからカンファレンス始めるから」
荒瀬「でもさ、マイナスとマイナス掛けたら、
 それも結構でかいプラスにな」
鬼頭「ハハハ…。何言ってんの?」
荒瀬「戻ってきたか、小高、七海…」

北洋、廊下を歩く小高はすれ違った朝田の姿に振り返る。
なにやら思わせぶりなシーン。小高のやる気が起きたか!?

終わり


最後のBGMが抜群にかっこいいね。
クラシカル・メタルって感じ。
前回の医龍を観るきっかけになったのもメタル風音楽だし、
こういう音をぜひ活かして欲しい。


キャスト
朝田龍太郎(坂口憲二)天才外科医
片岡一美 (内田有紀)投資会社役員で北洋病院オーナー
伊集院登 (小池徹平)外科医
小高七海 (大塚寧々)麻酔医、北洋へ
荒瀬門次 (阿部サダヲ)天才麻酔医
里原ミキ (水川あさみ)天才器械出し
木原毅彦 (池田鉄洋)医師
松平幸太朗(佐藤二朗)消化器外科医、北洋へ
善田秀樹 (志賀廣太郎)北洋病院院長
外山誠二 (高橋一生)血管外科、北洋へ
野村博人 (中村靖日)臨床工学技師、北洋へ
(浜近高徳)救急隊員
(中沢純子)看護師、器械出し
 中沢純子Blog : 久々のロケ♪ ←ナイス記事
(土屋史子)看護師
(牟田悌三)西沢孝文、老人患者
(山本裕典)西沢の孫、翔太
(市川千恵子)西沢孝文の妻、西沢輝代
(三枝貴志)麻酔医
(法福法彦)救急隊員
(堤匡孝) 回想の医師
(吉野真希)看護師
藤吉圭介 (佐々木蔵之介)
鬼頭笙子 (夏木マリ)
 明真の統括医院長兼メイシンメディカルシティ推進実行委員
野口賢雄 (岸部一徳)

脚本 林宏司
演出 水田成英

どらま・のーと弐 | 医龍 Team Medical Dragon2 KARTE:03

B000VZK7YI
「医龍2 Team Medical Dragon」オリジナルサウンドトラック

TVサントラ
UNIVERSAL SIGMA(P)(M) 2007-11-28
01. DRAGON RISES
02. Blue Dragon 2007
03. Engel und Teufel
04. Feind oder Freund
05. Intrigant
06. entlassen
07. In The Box
08. thick tone
09. spirit <strings ver.>
10. Red Dragon 2007
11. Aesthetic <Vocal: 関山藍果>
12. Battle with silence
13. OUT BALANCE
14. Eugel und Teufel <piano & cell ver.>
15. psychological warfere
16. BLACk SMILe
17. SPIKE
18. Northern Sea
19. Intrigant <cembalo & e. guitar ver.>
20. radiance
21. Blue Dragon <strings ver.>
22. ONE <soundtrack ver.>

B000VZE26M
ONE : AI SPHERE of INFLUENCE

ユニバーサル シグマ 2007-11-07




posted by エデン at 23:01 . | Comment(0) | TrackBack(4) | 医龍2
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レベル999のマニアな講義 : 医龍 Team Medical Dragon2 第3話 動き...
内容西沢という患者の手術を拒否した野口。それにより、朝田らは北洋病院へと異動させられる。そこにいたのは、一緒に異動させられた使い物にならない医師たち。一方、明真には、鬼頭が帰ってきた。そんなとき、急変..
2007-10-26 23:27
今日感 : 医龍2
北洋病院のスタッフで心臓手術にのぞむ、朝田(坂口憲二)、伊集院(小池徹平)。
2007-10-27 18:47
世田谷のProducer : 医龍 Team Medical Dragon2 第三話
今クール僕が観ているドラマは 働きマン、ガリレオ、そして、この医龍 Team Medical Dragon2 です。 前回の予告編で、北洋の外科医の外山先生(高橋一生)が..
2007-10-27 23:12
ぎんいろ(旧夢の日々)。 : ドラマ「医龍‐Team Medical Dragon2‐」第3話。
第3話「その手術は失敗する」 野口に逆らった所為で、北洋病院に異動させられた朝田、伊集院、そして藤吉。 院長に最強のチームを作ると宣言した朝田。 北洋にはショック状態に陥ってしまった西沢さん..
2007-10-28 02:22
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