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2006年12月02日

家族〜妻の不在・夫の存在〜 第七話

「夫から妻へ…最後のプレゼント!!」

調停に向かう亮平の回想
“あなたたちが憎しみあって、一番傷つくのは誰ですか?
 悠斗くんじゃないんですか?
 大好きなパパとママが憎しみあったら、
 悠斗くんがどれだけ傷つくか考えてください”

「パパ、ママのこと好き?」
「うん、好きだよ」
「僕も!」

調停控え室4で待っている理美の回想
「理美が仕事をするのを許してあげてください」

「どけ」家裁での騒ぎ

「今度の日曜日、動物園行こうか?
 それとも鉄道博物館がいいかな?」
黙って一人遊びを続ける悠斗。

理美、どこか山のふもとを歩き、リンゴの木の前にやってきた。
悠斗の描いた木のようだ。

弁護を降りた詩織がやってきた。
「詩織…、どうして?」
「仕事、途中で投げ出すわけに行かないでしょ。
 この前は感情的になって悪かったと思ってます」
「私こそ、本当にごめんなさい」
女性調停委員「上川さん、ちょっとお出でいただけますか?」
「はい」

皆が揃った部屋、
男性調停委員「実は今日の調停を始める前に、
 ご主人から提案したいことがあるそうで、
 同席していただくことにしました。どうぞ(発言を)」
「先日の調停から、私たち夫婦のことをもう一度よく考えてみました。
 妻が希望するとおり、離婚に応じることにします」

オープニング

亮平、シンちゃん宅を訪れると、さやかが出るところだった。
「いいよいいよ、見送りなんて。
 (さやかが玄関を開けると亮平がいた)おお、あんたか」
亮平「どうも」
シン「こんばんは」
亮平「こんばんは」
「じゃ、行ってきます。
 おじさん、さやか、今日もここに帰ってきちゃうかも」
「いいよ」
「ああ、うれしい! 今日もお仕事頑張っちゃう! じゃあね!」
シンちゃん「(亮平に)どうぞ」
「はい」

亮平、仏壇に手を合わせる。
「ありがとう」
「あの…、さやかちゃんはここで暮らしてるんですか?」
「そういうわけじゃないんだが、時々気が向くと泊まっていくんです」
「そうですか」
「亮平さんが心配するような関係じゃないです」
「あはっ。分かってます」
「悠斗くんに会えましたか?」
「ええ」
「おお、そりゃ良かった。
 あっ、お茶入れましょうね、お酒のほうがいいかな?」
「いや、佐伯さん、すいません、
 実は、今日は佐伯さんにご報告があります」

「報告?」
「はい。
 妻とは離婚をすることになりました。
 悠斗の親権は妻に渡すことにしました。
 月々の養育費を払い、家を売って、財産もちゃんと折半します。
 あと、悠斗とは月に一度会えることになります」

「やはり離婚ですか」
「すいません(ペコリ)」
「いやいや、私に謝るようなことじゃない」
「いや、本当に佐伯さんにはずいぶんお世話になったのに」
「そんなことはどうでもいいんです。
 どうしても、やり直すことは出来ませんか?」
「妻が家を出てったとき、俺本当あいつのわがままだと思っていました。
 でも一人で悠斗を育てていると、理美がどんなことに思い悩んで
 苦労してきたのか少しだけ分かったような気がします。
 なんだかんだ言って俺は本当にあいつのこと見てあげてなかったですし、
 ずいぶん一人ぼっちでつらい思いをさせたなと思っています」

「別れることに、悔いはありませんか?」
「はい。…と言いたいところですけど、そう簡単には。
 実は今フランスに転勤しないかという話があるんです」

「フランス?」
「ええ。
 気持ちを切り替えるにはいい機会だと思うので行ってこようかと思ってます」

「どのぐらい?」
「二年です」
「二年!? そりゃあ寂しくなりますねぇ」

理美宅、悠斗は電車のおもちゃ・プラレールで遊んでいる 「ガタンゴトン、ガタンゴトン」
詩織「今日から十日以内に離婚届と戸籍謄本、それから調停調書の謄本を、
 夫婦の本籍地か、理美の住民票がある区役所に提出して。
 十日過ぎてしまっても離婚は無効にはならないけど、
 戸籍法上の制裁措置があるから気をつけてね。
 (理美がぼんやりしている)ねえ、理美」
「あ、ごめん」
「本当に後悔してない?」
「ねえ、詩織。
 私、悠斗がいるから、悠斗のために我慢してきたの。
 正直すごく寂しかったしつらかったわ。でも悠斗がいるから、私頑張れたの。
 でもね、悠斗はいつか大人になって、私のもとを離れていく。
 そのときに亮平と別れて、新しい人生を見つけようとしてもきっと遅い。
 だから私は後悔してない」
「そう…」
「うん」

居酒屋
津久野「あり得ないです。なんなんです、もうやり直せないんですか?」
「ああ」
「なんかがっかりだよ」
「お前ががっかりするなよ」
「だって、そうでしょ、
 あれほど仲の良かった二人がこんな簡単に壊れるなんて。
 俺もう結婚はこりごりです」
「こりごりってお前結婚してないだろう」
「俺決めました。結婚はね、絶対しません。死ぬまでひとり。
 だって、ほら、民ちゃんもサブちゃんも先輩も、みんなひとりだもん。
 これからはね、ひとりの時代なんです」(“劇団ひとり”ですから・笑)
民子「もうこの店に来ることも無い(涙)」
サブちゃん「泣かないで。俺悲しくなっちゃう(涙)」
「みんなどうしたんだよ〜、
 ほら、今日はじゃんじゃん飲むぞ!
 民ちゃん、お酒持ってきて。民ちゃん!」

理美宅
「もしもし亀よ、亀さんよ♪
 いっぱい食べてね、亀くん。大きくなるんだよ」
悠斗を見つめる理美。そしてリンゴが映り…。

夜の繁華街
「先輩、どこ行くんですか?」
「え? ああ。
 (きょろきょろと、さやかにもらった名刺の店を探している)
 あっ、ここだ、ここ(キャバクラ・New Pinky)」

「え〜、離婚決まったからっていきなりこの手の店はまずいでしょ」
「いいよ、お前帰れよ」
「えっ、ちょ…。仕方ないな」

女の子「いらっしゃいませ」
「どうしたんです、先輩、急に積極的になっちゃって?」
黒服「どうぞ、こちら」
「メグちゃん、指名したいんですけど」
「かしこまりました」
「いやあ驚いたな、先輩、結構この店来るんですか?」
「いや」
「またまた。まぁね、奥さん出てって結構経ちますから。
 先輩も生身の男だったと」

黒服「お待たせしました」
「メグちゃんです!」
「かめこです!」
津久野「うお、かわいい!
 メグちゃん、津久野っちです!」
「かめこです! どうぞどうぞ」

「あらっ、おじさんとこ来た…、あ〜、来てくれたんだ! ありがとっ」
「どうも」
「ウイスキーでいい?」
「はい」
「かめちゃんお願い」
「はいっ」
「あの、一度君と…、佐伯さんのこと話をしたかったんだ」
「あんたおじさんの何?(優しく問い掛ける)」
「何って言われると困るなぁ。友達かな」
「ふ〜ん、友達ね。友達なら分かるでしょう、おじさんがぁ私をどうしたいのか」
「どうって?」
「あっ、私とエッチしたいとか!」
「佐伯さんはそんな人じゃないよ」
「え〜、でも妙に親切だよ〜? 下心見え見えじゃない?」
「そうじゃないって。佐伯さんはあなたのことをこう本当に自分の子供のように…」
「ふん、やっぱりそれか(キリッ)」
「え?」
「そういうの、超ウザいんだよね」
「ウザい?」
「そう、ウザい。
 ねえねえ、津久野さんって、お金持ち?」
「もちろん。僕、青年実業家です」
「社長なの、すごい! メグ、真剣交際した〜い」
「マジで!?(笑)」

CM

建築現場
「宿本くん、この間はごめんなさい。
 自分が未熟なのを棚に上げて怒るなんて恥ずかしいわ」
「いや、勝手に図面に手を入れた俺が悪かった」
「そうやって私の見えないところで、いつもサポートしてくれてたのね」
「いや」
「ありがとう、感謝します」

亮平宅
詩織「月々の養育費はこちらの口座に振り込んでください」
「はい。家が売れたらローンを返済して残高を折半して、
 こちらの口座に振り込みます、それでいいですか?」

「はい。フランスへはいつ?」
「とりあえず来週に。何かありましたら会社に連絡をください。
 落ち着いたら向こうの連絡先をお知らせしますので」

「分かりました」
「これで打ち合わせすべきことは全部かな?
 (詩織が何か言いたそう)まだ何か?」

「いえ。(家の荷物を)片付け始めたんですね」
「早く処分しないと、ローンが残ってますから」
「なんだかすっきりしなくて。
 私が余計なことしちゃったのかなって。
 私が何もしなければ、あなたと理美は…」
「古葉さん、これで良かったんですよ」
「もしかして理美、妻としてとか、母としてとかじゃなくて、
 一人の人間として、女として、
 あなたに自分を見て欲しかったんじゃないかなって、
 そんな気がするんです。私も結婚してみないと、
 理美の本当の気持ちは分かってあげられないんだけど」

理美宅
「ガタンゴトン、ガタンゴトン、通過でーす。
 はい、リンゴ駅〜、リンゴ駅〜
 ガタンゴトン、ガタンゴトン、通過でーす」

「悠斗。悠斗にね、大事なお話があるの」
「なあに?」
「パパとママのことなんだけど、
 パパとママはね、これからずっと別々に暮らすことにしたの」
「どうして?」
「それは…、悠斗がもっと大きくなったらちゃんとお話しするわ」
「ふ〜ん」
「でもね、悠斗はこれからも、パパと時々会えるの。
 パパとそういう約束をしたの。
 それから、悠斗はママと一緒に暮らすの。
 それでいい?」
「…」
「悠斗?」
「ホントは嫌だけど、ホントはパパとママといたいけど、
 僕、男の子だもんね。ママのそばにいて守ってあげるんだ!」

悠斗が理美の手を持つ。
「悠斗」
「パパと約束したの!」
「パパがそう言ったの?」
「うん!」

亮平は荷物をまとめている途中、CD-Rを見つける。
パソコンで見てみると、悠斗の成長日記だ。写真画像が一杯。
生まれたときの写真からどんどん一杯。
それを微笑みながら見る亮平。何かに気づいて微笑みが消える。

宿本「あのさ、理美、正式に離婚が決まってから話そうと思ってたんだけど、
 俺と付き合ってくれないか?」
「えっ!?」
「俺じゃダメかな?」
「ごめんなさい、私」
「あっ、俺何言ってんだ、ごめん忘れてくれ今の。
 だけど仕事ではこれからもいいパートナーでいてくれるよな?」
うなずく理美

幼稚園
木下美帆「フランスですか?」
「ええ、二年ぐらいは帰ってこれないと思います」
石澤「寂しくなりますね」
「あの…、本当先生方には色々お世話になりました」
浅野「こちらこそ」
石「また遊びに来てくださいね」
「ええ」
「あの…、悠斗くんにクリスマス会には
 ぜひ遊びに来てくれって伝えてください。
 サンタさんも来るし、ゲームも色々とやるんです。
 悠斗くん、楽しみにしてましたから」
「ええ、伝えておきます」
「残念です。
 きっとお父様とお母様は仲直りしてくださると信じてましたから」
「本当に色々ご心配をおかけしました。すみませんでした」
「いえ…」
園児たち「悠斗パパ、手伝って〜、クリスマスツリー手伝って〜」
悠斗の描いたリンゴの絵から理美宅のリンゴへ。

理美、家でリンゴを手に物思いにふける。

亮平宅、着信(パパ電話だよ)
「おう、どうした?」
「先輩、メグちゃんの居場所分かります?」
「メグちゃん? さやかちゃんか?」
「三日前、メグちゃんから連絡があって、
 かめこが車にはねられて重体で入院したって。
 で、医者代に困ってるから金貸してくれって言われたんですけど」
「それで何、貸したのか? いくら?」
「30万円です。
 でも今店に来たら、昨日で辞めたって言われて、
 しかもかめこはピンピンしてるんですよ。
 俺騙されました」

CM

シンちゃん宅、晩酌
「あの…、さやかちゃんは?」
「彼女がどうかしましたか?」
「あの…、うーん…、気を悪くしないで聞いてください」
「はい」
「津久野が彼女に30万円を貸して逃げられました」
「本当ですか?」
「同じお店の女の子が車にはねられて医者代が払えないと言って、
 借りたそうです。
 でもその子は普通にピンピンして、お店にいたらしいんですよね。
 実は俺もこの間初対面でいきなりお金貸してって言われました。
 もちろん貸しませんでしたけど」

「そうでしたか」
「佐伯さん、やっぱりあの子には少し気をつけたほうがいいと思います。
 たぶんそのうち佐伯さんにもお金のことで何か言ってくると思うんですよね」

「そのことならもう言ってきましたよ」
「え?」
「キャバクラでいつまでも働いてるわけにいかないし、
 小さなブティックを開きたいんだけど、
 資金が少し足りないんで少し貸してくれないかって」
「それで佐伯さん、貸したんですか?」
「ええ」
「いくら?」
「100万円」
「すぐに取り返しに行きましょう」
「もういいんです」
「どうしてですか!?」
「初めからこんなことだろうと思ってました」
「分かってたんですか?
 じゃあ、分かっててそれは騙されたっていうことですか?
 つまりあれですか?
 『あの子を養子にしていればあんな生活をしなくてもすんだかもしれない、
 あの子にすまないことをした』、
 それで黙って騙されてやったってことですか?」

「それは違います。あの子の行く先を探しているうちに分かったんですが、
 行く先々で借金取りに追われてる。
 しかも相手はヤクザまがいの金融業者。
 どうせ身から出たサビのような借金だろうし、
 他人の私が心配するようなことじゃない。
 ですが私は、なんとかあの子を助けてやりたいと思うようになったんです。
 女房のために」
「奥さんのために?」
「女房が、どんな思いで、あの子に手紙を書いていたんだろう、
 どんな思いで、会いに行っていたんだろう、
 結局女房は、死んだ息子とあの子を重ね合わせていたんじゃないかと。
 女房は息子が死んでからも、母親であり続けていたんです。
 子供への思いは、自分の腹を痛めて生んだ母親にはかなわない、
 女房にそう教えられたような気がしました。
 子供を亡くしたことで、女房が抱えた悲しみは、
 私なんかの想像をはるかに越えたものでした。
 ですが、例えあの子を養子にしていたとしても、
 その悲しみを埋めることは出来なかったと思います。
 女房にとってのあの子は、心の支えのようなものになっていたんです。
 ですから私はあの子を守ってやろうと思ったんです。
 うまく言えませんが、そうすることが、
 女房と息子を、守ってやってる、そんな気がしたんです。
 夫として、父親として、それが私に出来る、最後のことかと。
 今さらもう遅いんですがね」
そこへさやかが慌しくやって来た。
「おじさんいる?私!」
「おお、どうしたんだ?」
「おじさん大変なのよ。
 昨日、お店のかめこって子が車にはねられちゃって
 どうにか命は助かったんだけどやばいのよ。
 医者代が足りないの、全然」
「いくらいるんだ?」
「とりあえず30万円」
「(引き出しから封筒を出し)今はこれしかない」
「おじさん、ありがとう」
「ただし、その金は津久野さんに返すんだ。分かったね?」
「え? …。あ、バレちゃってた、もしかして?」
「ここへ座りなさい」
「何、お説教? 嘘ついたからって何、文句あんの?
 だいたいさ、ウザすぎるんだよね、あんたも、おばさんも。
 なんだか分かんないけど、いい人ぶっちゃってさ、
 まぁ、こっちも親切にしてもらえるから
 適当に利用してやれって思ったんだけどさ、
 そっちだって本当は何か狙いがあったわけでしょう、ね?」
「君、佐伯さんはね」
「いや、いいんです」
「今更なんなのよ。
 昔養子にしようと思ってたけど出来ませんでした。
 そしたら私がこんな姿になって、かわいそうだから面倒見てやるって。
 ふふっ、冗談じゃないよ。
 私捨て猫じゃないんだからさ、今度はちゃんと拾ってやるってか。
 ふざけんじゃないわよ!」

「いい加減にしろよ!」
「あんたは黙っててよ!」
「少しは人の気持ちも考えたらどうなんだよ!
 あのね、亡くなった奥さんが君のことどれだけ大切にしてたか分かってるのか?
 謝れ!
 今すぐ佐伯さんと奥さんに謝れ!怒号

「いいんです」
「でも」
「いいんです」
「なに二人して盛り上がってんの、バカみたい」
さやかはお金を叩きつけ出て行った。
シンちゃんは追いかけようとする亮平を制止し、静かに飲む二人。

亮平宅、ケータイで呼び出し
「もしもし俺」
理美「あぁ」
「あさってフランスに発つんだ。
 明日悠斗と三人で食事しないか?」

「悠斗が喜ぶわ。じゃあ明日」
「うん」
二人それぞれ悠斗を大事に想う。

CM

待ち合わせ
「悠斗!」
「パパ〜! パパ〜!」
「元気か?」
「うん!」
「今日何して遊ぶ?」
「遊園地!」
「遊園地、よーし。
 (理美に)よっ」

理美うなずく。

お子様ランチ
「うわ〜、すご〜い」
「だろう? 悠斗、電車だぞ。
 レールがカニカマ、車輪が卵、窓がハムだろう、
 パンタグラフがチーズになってんだぞ」

(理美は亮平の指輪が無くなっている事に気づきがっかりする)
「すご〜い」
「だろう、よし、食べよう!」
「いただきます!」
「はい、いただきます」

「これ」と言って理美にCD-Rを渡す。
「あ」
「何?」 「写真。悠斗の赤ちゃんの時の写真もあったぞ」
「ホント?」
「うん、悠斗はもうクシャクシャでお猿さんみたいな顔してた」
「え〜、ママ僕、お猿さんだったの?」
「そうよ、悠斗はね、真っ赤っかなお顔で泣いてばかりいたのよ」
「嘘だよ、僕人間だよ〜」
「冗談だよ、悠斗。
 悠斗が生まれた晩はさ、満月が出てて、
 お空に大きくてデッカイまん丸のお月さんが出てたんだぞ」

「本当? 知らなかった」
「パパさ、悠斗が生まれたのがうれしくて、その月に向かって
 ウォウウォウって吠えちゃったの」

「狼男だ!」
「ウォォ、ワウワウ」
悠斗と亮平が吠えあう。

「ありがとう、これ」
「うん。
 うーん、でもがく然だったな」

「え?」
「悠斗の赤ん坊の頃の写真は必ず理美が一緒に写ってたんだけど、
 でも大きくなってからの写真には悠斗ひとりのばかりだった。
 理美が撮ってくれてたから。
 俺の知らない悠斗の写真ばっかりだった。
 遊園地に行ったり、ハイキングに行ったり、
 ペットショップで犬に顔をなめられてたり、
 俺の知らない悠斗の顔ばっかりだったな。
 ずーっと悠斗と二人っきりだったんだよな。
 完全に父親不在だった」

「うまいか?」
「うん」

遊園地
「観覧車だ!」元気に走り出す悠斗。
「悠斗、気をつけてね」

「理美、これ(署名済みの離婚届)」
うなずく二人。

「パパママ早く!」
「おう」
「こっちこっち〜!元気
# とっても元気な声が微笑ましい!

観覧車
「うわ〜、すごい、高い!」
「うおっ!」と脅かす。
「なんだよ、パパ〜」
「あとでさ、ジェットコースター乗ろうぜ。
 スピニングコースター乗りたい」

「や〜だ、や〜だ!」
「あのクイックなやつ、ガンガンガンガン」
「やだやだ」

「悠斗、観覧車どうだった?」
「楽しかった。
 ママ、高いところ嫌いなんだよ」

悠斗はふと立ち止まり、電車のおもちゃに目が釘付け。
(ゴムボールの的当てゲーム・カンショット"CAN SHOT"、
 全部倒せば豪華賞品!)
「あれが欲しいのか?」
「うん」
「よ〜し、パパに任せろ!」
「うん!」

係員「三回続けてあの缶倒したら、どれでも好きな景品差し上げますからね」

「パパ頑張って!」
「任せとけ、悠斗!」

一投目
「やった!」

二投目
「すげぇ!」
「よーし、あと一球」

三投目
外れ
みんなショボーン。
「もう一回」
係員「ありがとうございます」

係員「ちょっと待ってくださいね。(カンを立てて)はい、どうぞ」

一投目
スカ
ショボーン
「もう一回」
マフラーを外し、ダウンジャケットを脱ぎ、身軽にして再挑戦。

何度も何度も…、いつしか周りに人が集まって見ている。
ギャラリー「もうちょっと」「惜しい」

「パパ…」
「心配すんな悠斗、次決めてやるから」
「うん…」
「お客さん、好きな景品あげっから、
 ほどほどにしといたほうがいいんじゃないの」
首を振る亮平。

「ねえ、もうやめましょうよ。模型だったら買えばいいじゃない」
「ダメなんだよ、こうゆうのは、買うんじゃダメなんだ」

一投目、成功、
二投目、成功、
三投目、悠斗が「パパ!」とお祈りする。(悠斗は指を組んだ時、右親指が上)
そして亮平が投げ…、スローモーション!
「やった〜」
「やった! やった〜、悠斗!」
ギャラリーも祝って拍手!

夜、帰り道
「これ何線?」
「えっと、寝台特急カシオペア」

「悠斗、クリスマスにはさ、プレゼント送るから楽しみにしてろ」
「うん」
「『うん』じゃない、『はい』だろ」
「はい」
「よし」
(沈黙)
「それじゃ」
「亮平、私…」
「元気でな」
「…。元気で」
去っていく亮平。
その後ろ姿を見つめる悠斗と理美。

「パパ〜」
亮平は振り返らない。

「パパ〜!」
亮平は振り向かずに手を振る、そしてガッツポーズ

“おまえは男の子だから、そん時はママのそばにいてママのこと守ってやれ”
悠斗が同じようにガッツポーズ

「悠斗、ごめんね、ごめんね」と抱きしめてやる理美。

家、悠斗はカシオペアを手に眠り、
理美はCD-Rの悠斗の写真を見て、色々思いにふける。

亮平宅、家具は無くすっからかん。
出発の身支度が整って、物思いにふける。
ピアノが置かれていた場所で回想
「パパ、発表会来てくれるよね?」
「発表会? どうしようかな、行っちゃう、パパ行っちゃう」

そして扉を閉め…。

理美、建築現場
高い階の細い足場を渡りながら見てまわる。
足を踏み外し転落…!

亮平、外に出て家にお別れ、去っていく。

理美、地面で倒れている。近くに人がいなく誰にも気づかれずに。

亮平、シンちゃん宅で仏壇に手を合わせる。
「ありがとう」
「いえ。
 じゃあ、俺行きますから」

「気をつけて」
「はい。本当に佐伯さん、色々お世話になりました(ペコリ)」
「いやいや、こちらこそ(ペコリ)」
着信(パパ電話だよ、パパ電話だよ)
「ちょっと失礼します
 はい上川です。
 理美が落ちた?
 えっ?」

あれっ、エンディング曲のバージョン・歌詞が違うね。

主題歌 EXILE "Everything" 100名にプレゼント告知

 今回は主にセリフが良く、色々考えさせられるものが多かった。ちょっと地味な回ではあるが。
 CD-Rのアルバムは理美が一生懸命作っていたんでしょうね、悠斗のため、そして仕事で忙しく悠斗と顔を合わすことの少ない亮平のために。理美がうっかり忘れていったことで、亮平が家族について再認識。理美は亮平の変化をうれしく思っているかな。
 今なら歩み寄りができるだろうし、離婚届を用意したもののまだ出していないから、やり直せるかもしれない?

リンゴに何かがありそうだけど、まだ明らかにならず。家族三人で何か約束をしたのだろうけど、一体…。

次週は理美の病状、リンゴの解明、離婚届、クリスマス会など収まりきるかな?
秋ドラマにしては遅くに始まり(10月20日)、結構早くに終わってしまうのね。

「14才」のあの子のケータイは? ドラマで使われるケータイたち 2006年秋編 (2/2)
 敏腕営業マンから愛息子のために今や失業中の身となった夫役・竹野内豊(上川亮平役)と、専業主婦から家を出て、建築デザイナーへの再起を目指す妻を演じる石田ゆり子(上川理美役)夫婦が色違いの「W42SA」を使っている「家族」。この中で興味深いのは、主人公の亮平の元部下役である劇団ひとり(津久野仁志役)。頻繁に携帯電話で亮平に連絡を取ってくるが、劇団ひとりは「だから私はドコモです」とドコモのMNPキャンペーンCMに出演している。そのせいか、KDDIが提供する本作の劇中では、どんな携帯を使っているかを確認することが難しいようなカットとなっていた。
ほぉ、興味深い裏話です!

キャスト
上川亮平(竹野内豊)
上川理美(石田ゆり子)

津久野仁志(劇団ひとり)
木下美帆(さくら)

浅野由美子(清水由紀)
石澤勝彦(石井智也)
サブちゃん(金橋良樹)
上川悠斗(宇都秀星)
民子(梅沢昌代)
かめこ(佐藤礼貴)
調停委員(野村信次)
調停委員(小川章子)
(中田寛美)男性。ホール係=黒服か
(林和義)遊園地従業員
(高橋優未)子役

森田さやか(星野真理)
宿本和則(金子昇)

古葉詩織(木村多江)

佐伯晋一郎(渡哲也)

撮影協力
よこはまコスモワールド

脚本 清水有生
演出 高橋伸之
第七話「夫から妻へ…最後のプレゼント!!」

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TVサントラ
コロムビアミュージックエンタテインメント 2006-12-20



posted by エデン at 02:54 . | Comment(9) | TrackBack(0) | 家族〜妻の不在・夫の存在〜
この記事へのコメント
濃い内容!エデンさんのこのドラマに入れ込む気合が感じられますね。

>>「これからはね、ひとりの時代なんです」(“劇団ひとり”ですから・笑)
はははっ、これは面白かった。

>>理美は亮平の変化をうれしく思っているかな。
遊園地の缶当てゲームのシーンは、今までのいきさつを象徴していると感じた。
はじめは家族放ったらかしのヒトリヨガリっぽく、次第に子供のために最後まで頑張る姿といった感じで。
理美も自分のモヤモヤがここで取れたのではないかと...でも時すでに遅し。
お互い切ないですね。

>>離婚届を用意したものの....
調停離婚の場合、離婚届は要らないんだよね。演出的には必要でしたが...

>>次週は理美の病状、リンゴの解明、離婚届、クリスマス会など収まりきるかな?
りんご、引っ張りますね。幼稚園の絵にもあったし、気になります。
理美の事故はちょっとベタですが...
放送は残り少ないが、沢山の宿題をきっと収めてくれることでしょう。(祈)
では...
Posted by シャブリ at 2006年12月02日 19:59
シャブリさん、こんばんは。感想は薄いですけどね(自爆)
>調停離婚の場合、離婚届は要らないんだよね。
おお、そうだったのかー! 知識をありがとう。
Posted by エデン at 2006年12月02日 21:39
エデンさん、TBサンキュー、ご指摘通り、秋ドラの最後に始まり、最初に最終回、金9が8話というのもさびしいです、最初の意気込みが若干薄れて駆け足で終わらなければならない、わけがあるのか赤いリンゴと赤リンゴの木は2回伸ばしの謎です!?
Posted by ウルトラセブン at 2006年12月02日 23:51
エデンさん、今晩は、コメントありがとう、「禁9」はそんな深い意味は有りません、、オーラの堀ちえみさん、確かに前・後編かと思いましたが、来週は「友近」で時間的に残念でした、エデンさんもファンでしたか?さっきまで「ALWAYS 三丁目の夕日」をダビング後、観ておりました、大変な秀作で続編が来年11月完成と楽しみです。
Posted by ウルトラセブン at 2006年12月02日 23:58
いつも覗かせて貰ってます。
調停離婚でも戸籍記載の為届出が必要です。
私以前市役所に勤めてたので、届出受け付けてましたよ。
http://www.rikon.to/contents3-2.htm にも詳しくあります。
脚本家の方は以前区役所勤務でまたケースワーカーだったといいますから知ってるのではないですか。
まあ知らなくとも調べるのでしょうが。
Posted by 通りすがり at 2006年12月03日 10:33
 ウルトラセブンさん、まいど。
 『オーラの泉』はファンというほどじゃないけど、俳優たちの素朴な面を見れたりして楽しい番組で、よく観てますよ。堀ちえみさんの回はちょっと残念な作りでしたね。
 『ALWAYS 三丁目の夕日』はまったくノーチェックでした。えらく話題のようで、機会があれば観てみようと思います。

 通りすがりさん、どうもありがとう。
 いろんな段取りがあるんですね。決して離婚なんてならないようにしたいものです。その前に結婚だけど(笑)
Posted by エデン at 2006年12月03日 22:38
いやぁ、やっちまいました。反省しきり...
通りすがりさんのご指摘の通りですね。失礼いたしました。
紹介ページ内
>>相手方と証人の著名、捺印は必要ありません...
を離婚届必要ないと勘違いしていました。申立人は提出していたんですな。
間違った知識を与えたりしてしまって申し訳ない。
Posted by シャブリ at 2006年12月03日 23:01
エデンさん、こんばんは!いつもありがとうございます!

>今回は主にセリフが良く、色々考えさせられるものが多かった
こうして、文字に起こしているのを読むと、改めて、セリフの
良さってものを感じますねえ。細かいところまで、きちんと
考えて書いてるなあという気がすごくします。

ほんとに、あと1回でやること結構ありますよねえ。
まあともかく、ハッピーエンドで終わることを期待ですね。

では、またよろしくお願いします〜!
Posted by まりりん at 2006年12月04日 00:15
まりりんさん、まいど。
セリフで楽しめるドラマ、いいですね。最後も良いものを見せてくれると期待してます!
Posted by エデン at 2006年12月06日 00:06
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